2009年5月21日木曜日

h21.5.21 平成21年度入学式式辞(H21.4.8)


兵庫県立飾磨工業高等学校 平成21年度入学式 式辞


 咲き誇った桜に心も浮き立ち、木々の芽が、日を追うごとに、芽吹く緑に心を和ませている、今日の良き日に、本校同窓会長吉川賢三様、全日制PTA会長東成吉様、多部制PTA会長田口喜英様をはじめとするご来賓と、入学生の保護者の皆様の御臨席のもと、飾磨工業高等学校平成21年度入学式を挙行できますことは、私たち教職員と在校生にとりまして、大変大きな喜びです。
 先ほど入学を許可しました全日制200名、多部制194名の新入生の皆さん、入学おめでとう。皆さんの入学を心から歓迎します。また、保護者の皆様には、手塩にかけて育ててこられたお子様の、本校への入学を、心からお祝い申し上げます。
 入学生の皆さんは、9年間の義務教育を終えて、飾磨工業高等学校で学ぶことを選んで入学してくれました。小学校、中学校での義務教育は、6歳から15歳までを対象とし、その年限をすぎれば自動的に卒業ということになりますが、高等学校は義務教育の対象から外れるため、進級も卒業も、自分の努力次第ということになります。これからは、自分で計画的に成果をあげていくことが求められます。
 皆さんは、現在の日本の社会では、就職をしないあるいは就職ができない若者が増えているということを聞いたことがあると思います。その人たちに、何に苦手意識があるのかという調査の結果を聞いたことがあります。人と話すのが苦手という人が60%、計算が苦手という人が43%、字を書くのが苦手という人が36%、人の話を聞くのが苦手という人が35%、というのです。どうでしょう。人ごとではないのではないですか。
 本校の卒業生の進路は、就職が約7割ですから、本校が最後の学校となる卒業生が多いのです。本校の学校生活において皆さんが実行することは苦手意識を克服することと、自分の得意分野を伸ばすことです。皆さんは、何をしなければならないか。例をあげてみましょう。
 人と交流をする機会を意識して作ってほしい。学校行事ではクラスメイトとともに積極的に取り組んでほしい。部活動にはぜひ取り組み部員との友情を深めてほしい。顧問の先生や先輩との人間関係を学んでほしい。話をしている人の顔をしっかり見て、しっかり聞いてほしい。自分からあいさつができる人になってほしい。正しい言葉遣いができるようになってほしい。授業を大切にして一般教養の習得、資格取得、検定合格のためにしっかりした学習をしてほしい。ものづくりコンテストには積極的に挑戦してほしい。
 どうでしょうか。これらの基本的なことを確実にできるようになることが社会に出るためには大切だということを覚えておいてほしいのです。本校の教育方針は、このような基礎的な能力を、鍛え上げることを重視しています。
 「継続は力なり」といいます。努力を継続することによって、目標が達成できるのです。しかし、たとえ目標を達成することができなかったとしても、「ひたむきにそして誠実に人生を生きる態度」が身に付くのです。これは私たちにとって最大の宝なのです。
保護者の皆様、本日から、大切なお子様をお預かりいたします。現在100年に一度という世界的な不況にあります。その中で私たちがやらなければならないことは、日本人が世界に誇ることのできる、品質の高い精密なものづくりを可能にする技術力と人間性を、もう一度磨き直すことだと考えます。ものづくりを通した人づくりが求められているのです。
 従って、時として、厳しく指導することがあるかと思いますが、お子様がこれからの時代に生き抜いていくために、ご理解とご協力をお願い申し上げます。学校と家庭が、お互いに連携をし、お子様の成長のために大切な時を共有したいと申し上げ、入学式の式辞といたします。
      平成21年4月8日
             兵庫県立飾磨工業高等学校長  田中 哲也
  
写真 正門入ったところにある兵庫県立飾磨商業学校の記念碑