2009年6月26日金曜日

h21.6.21 全日制機械工学科3年赤尾君、県大会優勝、ものづくりコンテスト旋盤の部兵庫県大会


 6月20日(日)に、姫路高等技術専門学院で、第9回高校生ものづくりコンテスト(旋盤作業の部)兵庫県大会が行われました。
 県下11校から校内選考で選ばれた11名の代表出場者が、2時間の写真に示す課題の製作を、寸法精度、仕上がり、完成度、安全作業、作業時間を競い合いました。
 本校からは、機械工学科3年次赤尾優二君が出場しました。校内選考では、他に牛尾圭佑君、塩谷侑君が最終選考まで残りました。赤尾君は新型インフルエンザの臨時休校の1週間以外毎日練習をして、15本の作品を作りました。臨時休校がなければもっと製作練習をしていたことになります。練習では制限時間の2時間を切ることは1度しかなかったようですが、本番では、実に落ち着いていて、一工程ずつ丁寧に自信のあふれた作業態度を貫き、15分程度早く終了し、作品を提出しました。そして結果は優勝です。得点は満点で、非の打ち所のない優勝でした。本年度の飾磨工高は技能技術の習得に力を入れようとしています。実に幸先のいいすばらしい結果を残してくれました。赤尾君は8月の近畿大会に出場します。何とか全国大会へ行ってほしいと思います。(2009.6.21)


 

2009年6月22日月曜日

h21.6.22  読書という「体験」

 図書だより(6月)が発行されました。
 高等学校学習指導要領の改訂のポイントの一つに、「言語活動の充実」があげられています。
 五感ではものを感じることはしますが、考えることはしません。私たちは言葉でものを考えます。その意味でも言語活動は重要です。
 さて、読書は体験になるのかどうか。私は図書だよりに下記のような文を寄せました。稚拙な文で恐縮ですが、お読みいただければ感謝感激です。(2009.6.22)

「本を読むという体験」 
 私たちは、五感を使ってあらゆるものを感じとります。赤ん坊の時の私たちは、五感から得た情報を基に、外の世界を感知し反応します。
 ものの感じ方や性格は、母親の声の抑揚や母親や周りの人々の接し方によって決まるといいます。幼児が言葉を覚え始めるときは、母親等の声という音と実際の物を認知する体験と、その音を発音することで大げさな賞賛を浴びることで、音を覚えるのだと思います。そしてそれを使えば、母親等とコミュニケーションできることを体験するという具合です。そしてそれが言葉だと気づくのは、ずっと後のことです。
 喜怒哀楽の表現の段階にはいると、親の喜怒哀楽によって、喜怒哀楽という感情と親の喜怒哀楽の文化を一緒に受け継ぎます。つまり私たちの感性は、本能的な感覚だけではなくて、親の感情の文化的な基盤を引き継ぐということになります。感性と理性という表現をよく聞くと思いますが、感性は感覚的なことを、理性は論理的なことを司り、お互いに影響し合って、自分の認識の世界をつくり上げます。この二つのバランスをどのようにとるのかが、その人の個性なのだといってもいいのです。
 読書は著者の感性に導かれて、自分の感性を磨きます。また著者の理性に導かれて、自分の理性を磨きます。その体験が私たちの認識の世界を広げてくれるのです。その効果は、私たちが体験で得るものとほとんど変わりません。体験は、いいこと悪いこと、雑多なものすべてを受け入れなければなりませんが、読書は実際の体験よりは整然と整理した形で体験をさせてくれます。
 生徒のみなさん、自分の感性、理性、そして自分の認識の世界を広げてくれる本を読みましょう。

2009年6月1日月曜日

h21.6.1 他人の気持ちを思いやることとデートDV

  デートDVを取り上げた神戸新聞の記事があった。

 4月27日の「現在を語る-兵庫へのメッセージ-交際中の若い男女間の暴力防ぐには」(神谷郁代記者)です。記事は神戸市看護大学助産学専攻科高田昌代教授へのインタビューによって書かれている。



(1) 一般的なDVとはどう違うのか。

 暴力の振るう行為は同じ。被害者が女性が大半なのも同じ。しかし思春期、青年期の異性への興味や関心と、異性への愛情がどういうものか分からないことから生まれる。

(2) 拘束を愛情と誤解する

 相手を自分のものと思いこむ。女性も最初は心配してくれていると思う。やがて居場所を絶えずチェックされる。他の男性との会話も制限される。反論すると怒り暴力行為に及ぶ。男性に罪の意識はない。女性は恐怖や苦痛でで無力化して抵抗しなくなる。

(3) なぜDVが起きるのか

 男、女とはこうあるべきものという社会通念、慣習が悪い方に災いしている。DVは暴力を手段として、弱者を支配することに目的がある。

(4) 最近の傾向や特徴

 携帯電話の普及で相手を拘束しやすくなった。コミュニケーション能力の低下で、相手の気持ちを汲み取れない人が増えた。

(5) DV防止には何が必要か

 発達段階に応じた教育が必要。「幼児期から命の重みや自分らしく生きることの大切さを教え、自尊感情が持てるようになれば、相手を一人の人間として尊重できるはず。それがDV防止につながる。」

 記事の概要は以上です。
 
幼児期に自分の思い通りにならないということを知る時があります。相手のおもちゃがほしい。ほしいの一念で相手のことお構いなしで取り合いをする。親からそれはいけないことだと諫められて、その認識を自分のものにするのにかなり時間がかかって苦労する。それで自分のものと他人のものの区別ができる。この認識をしっかり身につけていないとDV防止は難しい。DV事件が増加しているということは、その認識を持った若者が育っていないということである。親をはじめとする大人が、子どもたちに社会性を身につけさせる躾あるいは指導をきっちりしなければ、この現状は改善できない。(2009.6.1)